モリスとミュシャ~テキスタイルってなんだろう・今日から始めるアーツ&クラフツ運動~

テキスタイルとは。

主な意味=織物の、織られた、織ることのできる

 

ファブリックと同じような意味だと思うのだが、

ファブリックとは

主な意味=布、織物、織り方、生地、(教会などの)建物の外部、構造、組織

改めて定義するとこういう言葉になるらしい。

 

私としては、ファブリック(布製品)に載せる柄やデザインがテキルタイルと解釈している。

テキスタイルは、デザイン性の高い用語というか、プロっぽい響き。

気取りたい方はテキスタイル、と言っとけばそれっぽくみられるかも!

なんちゃって。

冗談はさておき。

 

有名なテキスタイルブランドといえば、日本では北欧のアパレル企業

マリメッコ

あたりではないだろうか?

「ウニッコ」という鮮やかで大きなポピーの花柄がパッと浮かぶ。

マリメッコは1951年設立。

1960年のアメリカ大統領選挙ジョン・F・ケネディ候補夫人のジャクリーン・ケネディマリメッコのドレスを着ていたことで有名になったそう。

ジャクリーン・ケネディはファッションアイコンとしても有名でしたものね。

 

そういえば選挙時のファッションといえば(後の)ファーストレディ・オバマ大統領夫人も話題になっていたような。ブルックス・ブラザーズだったかな?エディー・バウアーだったかな?忘れちゃったけど、割と庶民でも手が届くブランド、というかメーカーの服を着ていて好感度上がっていた記憶がある。

今思うと験担ぎだったのかな?こういう印象って大事だよなあ。

ミシェル・オバマさんもジャクリーン・ケネディ以来のファッション・アイコンと呼び声が高いそうです。

庶民には手が届かないジャクリーンのファッションと違い、たしかにTPOに合わせたチープなファスト・ファッションから、ハイブランドまで着こなしが上級者!

興味のある方は彼女の華麗なるファッション遍歴については、沢山の記事があるのでチェックしてみて下さい。

 

話がずれたが、何故テキスタイルの話がおっ始まったかと言うと、最近セリアで(そうです。あの100円ショップです。私は数ある100円ショップさんでは、セリアが1番好き。)

ウィリアム・モリス マスターピースコレクション

なるものが販売されていたからである。

#モリス #いちご泥棒



ウィリアム・モリスとは

イギリスの芸術家・詩人・社会運動家

1834年生まれ。

19世紀末のイギリスの産業革命によって大量生産が主となり、職人の手仕事がないがしろにされ、既製品の粗悪品が出回るようになる。

それじゃいかん、日用品・既製品にも美がなくては。職人さんの手仕事の良さも見直そう。

と始まったのがアーツ&クラフツ運動。

モリスはこの運動の主な形成に最大の参与をした人物。

モリス・マーシャル・フォークナー商会をビジネス・パートナー達とともに設立し、当初からステンドグラス、家具、装飾画、タイル等を主に制作し、モリスは品質管理も行ったとのこと。

設立後10年は主に教会の為のステンドグラスに重点を置き、そのあとモリスが単独で経営する「モリス商会」として再出発した際にテキスタイル部門が強化され

家庭向け需要が高まりとともに商会の活動が拡大していったという流れ。

#モリス #バラ



モリスについてはここまでざっくり説明すれば、あとは作品さえ気に入れば言及せずともよかろう。

でも、作品の模様、それを観ればこういう精神の下やってるのが分かる。そのことが分かれば良さを感じることもひとしおなのではないだろうか。

#モリス #デイジー



芸術は生活に根付いて人を慰めたり温めたりする、滋養のあるものでもあると思う。

 

なんとなく、私はそこで戦後日本の芸術家、というかマルチクリエーター、中原淳一先生を思い出す。

敗戦国日本の少女達にときめきとおしゃれを思い出させて夢を与えた方だ。

そう。着れりゃあいい。食えりゃあいい。貧しさにかまけて情緒を満足させないことを味気ないと嘆いて、活動された方なのだ。

今回は中原淳一先生についてはないので、ここで留めるが思わず「先生」とよんでしまう、尊敬すべき方なのだ。先生の時代が私とリアルタイムで重なっていたのなら、私は先生の崇拝者になっていただろう。

リンク↓

中原淳一(先生)公式サイト

https://www.junichi-nakahara.com/

 

 

話を戻そう。

要は生活に根ざした美しいものを提唱し、復旧させた方達なのだ。それも、市民階級に。

もちろん壁紙やカーテンをモリスのテキスタイルでそろえる、のは贅沢だけど、

でも贅沢は罪ではない。

身の丈に合わないことは無理があるし、自分の収入に見合わないものを購入するのは地に足がついてないので賢い大人がすることではない。

でも贅沢って。

私の中では

中国産のうなぎを3~4回我慢して国産うなぎを食べる。

マーガリンじゃなくてバターを買う。

ちょっといいトマトを買う。

一輪の綺麗な花を飾る。

位の感覚と一緒。

 

そんなわけで、セリアにモリスのテキスタイルのペーパーグッズを販売している

と知ったときには

アーツ&クラフト運動の理念を理解してる!

とワクワクした。

ほんと、可愛い。可愛いいいいい!!!と悶絶しながら販売スペースで20分くらいは悩んだと思う。

全種類買ってもいいのかも知れない。

だって税込み110円だもの。

でも、使わないものを買い占めるのって、おしゃれじゃない。

私、心のおしゃれな人間でいたい。

そんな姿勢を持てと、モリスや中原先生に教えられたから。

更に言うなら白州正子にも教えられた。

骨董も日常で使ってこそ。の美学。

白州正子の審美眼も大好きなのだけれど、これまた長くなりそうなのでここでは名前だけ触れておく。この方も機会があったら別の回でまた触れたい。

旧白州邸 武相荘 リンク↓

buaiso.com

そんなわけでペーパー皿とワックスペーパーは諦め、

(昔は焼き菓子作りが趣味だったが、最近めっきりしなくなった。だって。バターが高すぎる。白い小麦粉太るし。焼き菓子ってバターと砂糖をケチると美味しくないんだよー。変わらず焼き菓子作りをしていたら絶対購入したな。)

レターセット×2、A5サイズリングノート×2、ふせん、フレークシール、折りたたみミラーの7点を購入。

(私は綺麗なレターセットやマスキングテープを集めるのが好きである。絵はがきと、ふせんも。)

#セリア #ウィリアムモリスマスターピースコレクション

次の日やっぱりもう一度観たい!とセリアに足を運び2023年の手帳を購入。

(いちご泥棒という柄。)

#手帳 #モリス #マスターピースコレクション

よし。これで満足。生活に根ざしたものを選び、無駄遣いをしなかった心のおしゃれな私を褒めて欲しい。

 

こういうことよ。贅沢って。

どんな偉い人だって、お金持ちだって、19世紀の人はこんな素敵なものは110円で購入できなかったろ?

現代に生まれて、よかったーーーー!!!!

と天を仰いで感謝する私なのであった。

 

自分をご機嫌にすることはなんて意義のあることなのだろう。

 

そんなわけで、今回はテキスタイルの話。

 

私が最初にテキスタイルについて意識したのは、2014年頃に観に行ったミュシャ展だったと思う。

実は2008年頃、ローラ・アシュレイという衣料品&家庭用品ブランドのお店で4ヶ月だけ働いていた。私はガーメント(衣料品)担当。ファニチャー(インテリア・小物・家具・布製品など)はちんぷんかんぷんだった。

端布のセールはとっても人気があったのは記憶にある。

ダメダメ販売員だったので、2ヶ月毎の面談でダメ出し食らって、売上げノルマのプレッシャーを受け実現できず退職。今でも悲しい思い出である。

テキスタイルにこの頃から興味があったらもっと道が拓けたかも知れない。

(それでも当時ローラ・アシュレイの布製品は好きでよく購入してましたよー。)

 

ともかくそんな時代を経て2014年ミュシャ展。

アルフォンス・ミュシャは日本でも人気な画家、イラストレーターである。

1860年生まれ。出身地はチェコ

アール・ヌーヴォーを代表する画家で、ベル・エポック(よき時代)のパリで一世を風靡したアーティストである。

1894年末、代役として初めて制作したポスター〈ジスモンダ〉で大ブレーク。

ミュシャ #ジスモンダ

これによって有名になった大女優、サラ・ベルナールのポスターにこの後も関わる。

私はシャンパン(モエ・エ・シャンドン)のポスター、四季シリーズなんかも好き。

モエ・エ・シャンドン社 #シャンパ



その後チェコで活動し、チェコからインスピレーションを得た〈スラブ叙情詩〉シリーズを作成。20の絵画作品からなる連作である。

美術展では、晩年に制作した教会のステンドグラスに心を強く打たれた。

ナチス・ドイツに「チェコ愛国心を刺激する危険性が危惧」され逮捕される。

その背景を思うと、故国チェコを蹂躙される苦しみ、透明な悲しみ、切なる祈りを感じ取ることが出来る展示であった。

 

私はパリ時代の華やかな作品が大好きだったけれど、この展示でステンドグラスの存在意義というか、生活の中の大切な祈りを捧げる場の重要性というか、そういったものに感銘を受けたような気がする。

聖ヴィート大聖堂 #ステンドグラス #プラハ



ともかく、美術鑑賞をしたなら、アート・ショップでそのインスピレーションを基にお土産を物色するのが私の大いなる楽しみ。

その時私は、ミュシャの〈夢想〉の絵はがき、

ミュシャ #夢想

アール・ヌーヴォー時代の演劇のポスターめいた、黒猫の絵はがき2セット。(黒猫は私の愛するモチーフ)。

 

ウサギと猫がバンジョー?的な楽器を弾いている方は、ネリー・リトルヘール・マーフィー

と記載があるから、これは作家の名前かな?どうやらアメリカのイラストレーターのよう。これもとてもお気に入り。

#絵はがきコレクション

もうひとつの黒猫〈December〉とある方は作者不詳。

どちらもとてもお気に入り。

 

そして、ミュシャの装飾資料集からテキスタイルをおこし、それを使用した手帳。

ここまで長かった。これが本題です。

そう、ミュシャの装飾資料集=テキスタイルを通して私はテキスタイルと出合ったのでした。

ミュシャ #手帳

ミュシャ #手帳内側




ここで、私の中で最初にテキスタイル=ミュシャという公式ができあがる。

ミュシャを愛さなければ、モリスのテキスタイルも感銘を受けなかったかも知れない。

 

長くなりましたが、生活の中の小さな祈りを捧げるアイテムとして、モリスのマスターピースコレクション。

これに惹かれるのは致し方がない。

この一言に集約されるのでありました。

 

あー、いちから注文住宅をつくる機会があるのなら、モリスの壁紙に心慰められたい。

モリスのテキスタイルを貼った注文家具に身を委ねたい。

果ては建物の外部から着想しちゃって、ガウディのサグラダ・ファミリアのように終わりなきイメージに妄想を膨らませたい。

建築の知識もない、インテリアの知識もない。のに。

時間がいくらあっても足りないので、ストップ・妄想。

妄想でエネルギーが発電できるなら、私かなり発電出来る気がするのだが。

本当にくだらない。

落ちがついたので、この話はここでおしまいでありんす。

 

きりが無いので、とりあえず身近な小物から。

皆様も小さなアーツ&クラフト運動始めませんこと?

 

 

おしまい。