私の読書遍歴3~漫画編・教科書から萌えへ~初めてのCLAMP~~

読書の秋。

ということで、私の読書の趣味嗜好へ大きな影響を与えた作品について前回も語ってきた。

 

ミステリ小説、ヨーロッパの歴史小説、に限らずその周りの漫画や映画作品、果てはフィギュアスケーターにまで及んだ。

 

今回は漫画作品をメインに語りたいと思う。

 

読書遍歴1で、最初に触れた漫画は小学生の時毎月母が買ってくれた少女向け月刊誌「りぼん」と「なかよし」ということは言及済みである。

 

りぼんは今現在で言うところの80年代黄金期。

池野恋柊あおい一条ゆかり矢沢あい岡田あーみんが大活躍の頃。

(敬称略ですが、リスペクトはあるのでご容赦下さい。)

 

私は上記以外の作家さんでは浦川まさる、佐々木潤子も好きだった。

吉住渉も大ブレークするちょっと前のころ。

その頃に位中学に進学するタイミングだったので、りぼんを卒業した。

 

「なかよし」で言うと「セーラームーン」が始まる前くらい。

作家さんで言うと好きだったのはあさぎり夕松本洋子

あさぎり夕は「なないろマジック」という漫画に夢中になって、

松本洋子はなかよしのなかでは驚くほど本格的なミステリーを描いていた方だった。

すくらんぶる同盟」という中学のミステリー同好会を舞台にした話。当時コミックス全巻持っていたような。

私のミステリー好きの入り口はこの方かも知れない。

 

「なかよし」はセーラームーンが始まってから、正統派少女漫画ではなくファンタジー色が濃くなってしまったので、私が夢中で読んでいた時期よりカラーが変わってしまったな、という印象。丁度その頃に卒業した。

(柴田亜美やCLAMPがなかよしに連載を始めたのはこの頃。

それまでのなかよしのカラーの人をデビューさせるのではなく、よそでヒットしてる作家さんを連れてくるって、他の時代はよく知らないけど、この時代すごい営業をしていたのではないだろうか。知らんけど。)

セーラームーンの作者さん、武内直子の作品は実はセーラームーン以前のものが好きだったりする。

(「ま・り・あ」や「Theチェリー・プロジェクト」なんて好きだったなあ。覚えてる方いるかな?)

その時、私は少女漫画の世界しか知らなかったのだけれど、いわゆるTHE・少女漫画以外を初めて読んだのは今思い出すと、

CLAMP

の作品かも知れない。

 

CLAMPという漫画家ユニットの「東京BABYLON」という作品がある。

それが私が(私の中の)いわゆる少女漫画ではない、漫画作品に触れた最初の作品である。

 

CLAMPについてはアニメ化が多数されている作家さんなので説明は不要かも知れないけれど、簡単にだけいうと。

 

4名からなる漫画家ユニットであり、ストーリー担当1人、他3人でアシスタントさんを入れず描いているそう。

 

CLAMPという名前もインパクト大だったし、4人で描いているというスタイルも当時の私には衝撃的だった。

 

3歳年上の姉が友人から借りた「東京BABYLON」を読んだのが出会い。

私が当時読んでいた少女向けの漫画にはないスタイリッシュな衣装、現代の問題を多く抱える東京という舞台、そして少女のように綺麗な主人公の少年のおはなし。

 

タイトルも秀逸でファッショナブルですね。

BABYLON=バビロンは、聖書にも出てくる欲望と堕落の都市のことです。

バベルの塔を建てて人間に罰が下った記述が表紙でも触れてありました。

うーん、知的でファッショナブル。ここが大人っぽかった。

 

旧約聖書にでてくるバビロンについてちょっとだけ。

バビロンはメソポタミアの古代都市。

聖書では「シナルの地」と言う名で登場する。

そこに建てた町がバビロン、塔がバベルの塔ということね。

創世記では「混乱する」を意味するヘブライ語の動詞ビルベル(bilbel)から。

英語では(意味の無いことを話す)という「babble」という単語から。

私の解釈で日本語にあてはめるなら、「混沌」とか「泡沫」あたりかな?

 

私の好きな「怖い絵シリーズ」の中野京子さんの「名画の謎~旧約・新約聖書篇」と言う本のなかで、ピーテル・ブリューゲルの「バベルの塔」を紹介した章に、丁度いい聖書の記述があったので参考にした。

「東京BABYLON」の当時の表紙に引用されていた記述もこんなかんじであった。

 

“そのころは全地が同じ言語であった。

東方から移動しているうちに、人々はシナルの地に平野を見つけてその地に住み着いた。

彼らは互いに言った。

「さあ、レンガを作りよく焼こう。」

彼らは石のかわりにレンガを、粘土のかわりに瀝青(ピッチ=※接着などに用いる天然アスファルトのことかと思う。)を手に入れた。そこで彼らは言った。

「さあ、町と、頂が天に届く塔を建てて、大いに名をあげよう。さもないと、我々は全地の表に散らばることになるぞ」”

 

ここまで描けば後はもう推察できますね。

“神は怒り、「一つの言語、一つの民」だからそんなことをするなら。

「言語を乱し、仲間の言葉を通じないようにしよう」と、「全地の表へ散り散りにした」。

塔や町の建設は未完に終わり、人々の不安通り結束が破れ皆散り散りとなった。

「それゆえ、その町はバベルと呼ばれることとなった。」”

 

バベルの塔 #ピーテル・ブリューゲル

写真はピーテル・ブリューゲルバベルの塔」(1563年頃)ウィーン美術館所蔵。

 

タロットカードに詳しい方ならご存じであろう、「塔」のカードは塔が雷を打たれて崩れる所をイメージされてるような絵柄で、正位置でも逆位置でも良くない意味を示す唯一のカードである。

 

正位置だと「破壊・破滅・倒壊etc・・・」で逆位置だと「緊迫・突然のアクシデント・必要悪etc・・・(解釈によっては解放・改革・型破りというちょっとだけいい意味もあるらしいが基本は悪い意味)」。

この「塔」のカードは、バベルの塔がモデルである。

 

私が読んだ書物のみだと、バビロンとバベルの記述の違い等が曖昧で、多分だが、宗教的意味合い(キリスト教ユダヤ教)と歴史的なもの(聖書のバビロンと古代バビロニア帝国)を鑑みると多くを語り混ぜると間違いそうな嫌な予感がするので、今回は「東京BABYLON」に必要な部分のみで割愛させて頂く。

 

とにかくこのダークさを題材にしてるということが、こどもの私には大人!と感激するモチーフである。

 

地方に住む小学生の私には、現代の欲望の都市バビロン=東京という、それだけでももう体感したことの無い世界だった。

池袋や新宿、東京タワーも出てくる。

主人公の少年は陰陽師という生業で、自立した大人のように働いて対価としてお金をもらうことに強いプロ意識を持っている。

 

主人公と、主人公と外見がそっくりなの双子の姉と、少年の陰陽師一族(皇(すめらぎ)家)が古来より危険人物として警戒している暗殺集団と同じ名字をもつ獣医師の青年。

この3人が主に活躍する。

 

陰陽師という存在、呪い(まじない)や真言に興味が湧いたのもこの作品の影響かも知れない。

 

この作品は2ヶ月に1回発売の月刊誌に連載されていたようなので、コミックスの続刊が発売されるスパンが長かった。

こういう所も、必ず年3回コミックスが発売されるりぼんやなかよしに慣れていた私には新鮮だった。

 

待たされると結構読みたくなるのね。

知らなかったわ。

という感覚。

 

この作品は後に『X』というアニメ映画化もされた有名な作品に繋がるのだが、(一部「東京BABYLON」の主人公「皇昴流(すめらぎすばる)」が登場するが、私は観てないし漫画も読んでない。だって、ちょっとだけ読んだけど人物が多くて複雑なのだもの!当時中学生~高校生位だった私は挫折したけど、今ならいけるかも?読み直してみようかな?

この映画の主題歌は「X JAPAN」の「FOREVER LOVE」で、当時は「ダジャレかよ!!!www」と思いました。

 

最近Amazonを開いたら「東京BABYLON」の新訂版が出たらしく、オススメで出てきて、何で、CLAMP作品を一度もAmazonで購入したこと無いのに出てくるのーーー???こわ!!!

となったが、オススメとしては丸っきりの見当違いではないので、

すごいなー、スマホの情報がいろんな所から漏れて営業かけられてるのかな?

と感心するばかりである。

新装版の表紙の衣装もとてもスタイリッシュで美しく、これはこれで欲しいかも!と購入意欲がそそられる。

 

CLAMP PREMIUM COLLECTION 東京BABYLON Amazon

https://www.amazon.co.jp/CLAMP-PREMIUM-COLLECTION-%E6%9D%B1%E4%BA%ACBABYLON-%E5%8D%98%E8%A1%8C%E6%9C%AC%E3%82%B3%E3%83%9F%E3%83%83%E3%82%AF%E3%82%B9/dp/4041116899

 

絵がすごく綺麗!!!

色もビビット!!!

興味がある方、是非表紙だけでも(失礼?)見てみて欲しい!

 

当時のオリジナルのコミックスは大判で1冊が薄目だったので、そこも何だか今までと違う新しいジャンルを読んでいる、という感覚だった。

 

多用される『』もCLAMP漫画の特徴。

重要ワードに『』を使えば、あなたも簡単にCLAMP構文の使い手になれるよ!

と言ったところ。

 

つまり、小学生だった私にとって、「りぼん」「なかよし」は中学生、高校生になったら経験する予定ごとの教科書であって、

『CLAMP』は『萌え』というものを教えてくれる『初めて』の『指南書』だったと言えるのではないだろうか。

(『』を多用して早速CLAMP構文を作成してみました。)

 

何故『萌え』というのかというと、

『少女』の様に美しい『少年』というものを現代的な作風でみたのも『初めて』だし、

『獣医師の青年』が『少年』に『恋慕』を抱いて『アプローチ』するも『プラトニック』な関係でいるのも、性的な描写が一切無いのに小学生の私には何だかエロいものをみたような気がしていた。

大人のエロに走る作品であれば、経験豊富な青年であればここで『大人の手管』を多用して、若い男の子なんてさっさと『籠絡』するのではないだろうか。

 

そうか!『エロはない』『けど何だかエロい気がする』のが『萌え』なのかも知れない!!!

 

私はその当時言語化できなかったが、今酸いも甘いもエロいもかき分けた私からすると、上記の感想が当時の感想だと言えよう。

 

今回読書と言うより「萌え」の初体験話になってしまったが、こうやって初体験を今冷静に分析できる私自信の成長を大変嬉しく思う。

(やっと『CLAMP構文』から抜け出れた。これ一回やると結構くせになるかも。暇なときと興味がある方はやってみて下さい。)

 

後に少女層にヒットした

(すみません、私はアニメを観てません。正確には少女層だけじゃないかも知れませんね。)

「魔法騎士(マジックナイト)レイアース」や「カードキャプターさくら」もよく知らないくせに、よくCLAMPについて記事を書いたもんだと自分でも思うのだけれど、

今回の主旨としては、

「私の読書傾向に影響を与えた作品の紹介」ですので、こういった記事にさせて頂きました。

 

知名度と人気を兼ね備えたCLAMP作品の正当派な記事は他に沢山あると思います。

この記事に関しては、あくまでリサーチとしてではなく、自分の萌えの起源についてですので、紹介ではなく嗜好の成り立ちとしてこういった人間もいるんだな、というサンプルとしてみていただければ幸いです。

 

さらに好きなポイントとしていうと。

背が小さくて小柄だったら、主人公・昴流(すばる)の双子の姉・北都(ほくと)ちゃんみたいなお洋服が着たかったなあ。

ギャルじゃない、厚底のチャンキーヒールっぽい靴とか、好み。

イメージはゴシックロリータをもっとラグジュアリーにした感じというか。

ディズニーリゾートに住んでるひとの衣装みたいな。

かといってロリータロリータしてるわけではなくて、既製服ではないタイトでクールなオートクチュールっぽい感じの上質なお洋服。

ランウェイを歩くためのお洋服みたいな感じですね。

もっと言うと、不思議の国のアリスの、ハートの女王のドレスを現代的に、活動的にした感じかな?

ギリギリでコスプレじゃない感じ。

(ただし、顔が超絶可愛くないと絶対に似合いません。)

ほんと、あのファッション憧れました。

 

さて、今回は読書といいつつ私の中の萌えの成り立ちについてご紹介致しました。

貴方の萌えは、どう表現しますか?

他の方の意見も、是非聞いてみたいです。

 

おしまい。

 

読書については、つづく、かも。